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ウンチのはなし 2024.1.28

訪問をさせていただいている患者さんを見ていて一番感じる事。ウンチが出ないと言われる方が多い!! 夜間の緊急呼び出しでも、便秘の為にお腹が痛いと訴えてくる患者さんが多いんです。
もちろん、病気のために生活の中で動けない、運動できないなどの理由を話される方もいます。前回の痛みの話の中でも触れましたが、医療用の麻薬などを使用すると必ず便秘になります。原因は色々あるでしょう。とにかく出すことが大切です。
まず、ご自身で便の出る周期を知ってください。毎日出る人、2日に1回の人もいます。また、1日のうちに数回出る人もいます。朝ごはん食べて、お茶飲んでからじゃないとでないと話された方もいました。生活リズムの中で、便を出す時間を作ってください。便意が訪れるチャンスを逃さないでくださいね。そういえば、直腸や肛門を専門に手術している外科の医師が言っていました。トイレで便意が訪れるのを待つために、スマホを持ち込んでみたり本を読んでいる方もいるようですが、長時間トイレに座っている事は痔になってしまうリスクを高めるようです。便意がついてからトイレへ移動してください。
少し話がずれたので戻しますが、入院などで筋力が低下してしまい便が出なくなることは多くあります。高齢になればなるほど、30歳~50歳代の筋力とは違い、鍛える事がないと筋力は低下する一方です。特に体幹の筋力が低下すると、踏ん張る力が弱くなります。ウンチを排泄する力が出ないんです。出ないと大腸に停滞している時間が長くなり、水分が吸収されてしまうのでウンチは固くなってしまいます。またまた、出にくいウンチとなります。ここで、先に知っておいてもらいたかったウンチを出す周期です。毎日出ていた人はきちんと毎日出さないと固くなっちゃいます。便秘になると、腸の動きが悪くなるために食欲もなくなりますね。悪循環の始まりです。きちんと食べて、きちんと出す。当たり前のことが大切なんです。
少し専門的な話しですが、ウンチを出すために薬を使わないとダメな場合もあります。薬には便を柔らかくする薬や腸管を動かして便を出す薬などの種類があります。また、定期的に浣腸を行い、便を出している方もいます。自分の排便の周期を知って、便の状態も見てもらい医師や看護師に相談してくださいね。
医療用の麻薬で便秘となっている方には、その副作用に対応した薬があります。スインプロイクです。これを飲み始めて数日は下痢をしてしまう方がいます。下痢したと飲むことをやめてしまう方もいますが、その後にちょうど良い便になってくるようです。スインプロイクをやめるよりも、便を柔らかくする薬、酸化マグネシウムなどを減らしたりする方がコントロールしやすいようなので、医療者へ相談しながら服用していく事をお勧めします。
美味しく食べて、適度に運動して、しっかり寝て、きちんと出す 毎日気持ち良い生活をお送りください。  たわいもないウンチの話でした。

患者さんの痛みを看護師がどのように考えるか  2024.1.15


今回から、ホームページを見てくださる方に、少し医療的な考え方を知ってもらい、私たち看護師がお家に伺って、患者さんをどのように観察しているのかを知ってもらおうと考えました。そこで、第一弾!今回はがんの痛みを看護師がどのように観察しているのか、皆様にお伝えしようと思います。

≪がんが進行すると痛みが強くなる≫ 一般的にはみなさんこのように考えます。
もちろん、痛みが強くなってくることはあります。でも痛みは、他の身体のだるさや吐き気などよりも薬でコントロールすることができます。症状を聞き、痛みの性質を確認することで、どのような痛み止めが効果的か判断します。
―どこが痛いですか?―
痛みの場所を確認します。実はがんの痛みは、がんのある場所が痛むとは限りません。例えば、肝臓そのものは痛みを感じることはなく、肝がんで痛みが出ると腫瘍で大きくなった肝臓を覆っている膜が伸びてしまう事で痛みが出現します。そのため、肝臓は身体の右側にある臓器ですが、左のほうが痛い事もあります。また、身体の表面的な痛みなのか、内部の痛みかも確認します。痛みのある場所は触ったり、皮膚を見せていただいたり、聴診器で音を聞いたりします。
痛みの場所を確認することで、がんの痛みなのかそうではないものかを確認しています。例えば、「お腹に痛みがあり時に右側が痛かったり、左側が痛くなったりします」と言われると、がんの痛みよりも腸の動きによって痛みが出ていると判断します。なので便が出ているかも確認しなければなりません。痛み止めを服用している患者さんは、便秘の事もしばしばあります。ウンチはとても大事です。でも今回は痛みについてのお話なので、ウンチの話は次回にします。
―どんな痛みですかー
どこに・どのような痛みがあるのかを知ることが大切なんです。
どんな表現でも良いです。看護師に教えてください。
例えば、針で刺されているようなちくちくした痛みがありますとか、棒で押されているような痛みがあります、ビリビリとした痛みです。など感じたままの表現で結構です。その言葉の表現から痛みの種類がどのようなものか、どのような痛み止めに効果があるかを考えています。

このような事を聞きながら、看護師は患者さんの痛みについて色々考えています。
痛みが強くてと言われたら、まずは夜眠れる事を目標にします。薬の使用のタイミングや量の検討を医師に相談しています。
夜眠れる様になったら、次は動かなければ痛くない状態を目標にします。ここまでのコントロールを長引かせないように、1週間程度で行うことが目標です。動く前に臨時の薬を使用したりしながら、最終的には日常生活に支障がない程度に痛みをコントロールしたいですね。
全く痛みがない状態は無理かもしれませんが、生活の中で一緒に考えていくことである程度までは軽減できます。訪問の度に「今日の痛みはどんな感じですか?」と聞かれることもあるかと思いますが、ちょっと面倒でもお付き合いくださいませ。

ウンチもですが、薬の事や痛み以外の症状もみなさんにお伝えしながら、楽に生活できるような提案もしていきたいと考えています。