訪問をさせていただいている患者さんを見ていて一番感じる事。ウンチが出ないと言われる方が多い!! 夜間の緊急呼び出しでも、便秘の為にお腹が痛いと訴えてくる患者さんが多いんです。
もちろん、病気のために生活の中で動けない、運動できないなどの理由を話される方もいます。前回の痛みの話の中でも触れましたが、医療用の麻薬などを使用すると必ず便秘になります。原因は色々あるでしょう。とにかく出すことが大切です。
まず、ご自身で便の出る周期を知ってください。毎日出る人、2日に1回の人もいます。また、1日のうちに数回出る人もいます。朝ごはん食べて、お茶飲んでからじゃないとでないと話された方もいました。生活リズムの中で、便を出す時間を作ってください。便意が訪れるチャンスを逃さないでくださいね。そういえば、直腸や肛門を専門に手術している外科の医師が言っていました。トイレで便意が訪れるのを待つために、スマホを持ち込んでみたり本を読んでいる方もいるようですが、長時間トイレに座っている事は痔になってしまうリスクを高めるようです。便意がついてからトイレへ移動してください。
少し話がずれたので戻しますが、入院などで筋力が低下してしまい便が出なくなることは多くあります。高齢になればなるほど、30歳~50歳代の筋力とは違い、鍛える事がないと筋力は低下する一方です。特に体幹の筋力が低下すると、踏ん張る力が弱くなります。ウンチを排泄する力が出ないんです。出ないと大腸に停滞している時間が長くなり、水分が吸収されてしまうのでウンチは固くなってしまいます。またまた、出にくいウンチとなります。ここで、先に知っておいてもらいたかったウンチを出す周期です。毎日出ていた人はきちんと毎日出さないと固くなっちゃいます。便秘になると、腸の動きが悪くなるために食欲もなくなりますね。悪循環の始まりです。きちんと食べて、きちんと出す。当たり前のことが大切なんです。
少し専門的な話しですが、ウンチを出すために薬を使わないとダメな場合もあります。薬には便を柔らかくする薬や腸管を動かして便を出す薬などの種類があります。また、定期的に浣腸を行い、便を出している方もいます。自分の排便の周期を知って、便の状態も見てもらい医師や看護師に相談してくださいね。
医療用の麻薬で便秘となっている方には、その副作用に対応した薬があります。スインプロイクです。これを飲み始めて数日は下痢をしてしまう方がいます。下痢したと飲むことをやめてしまう方もいますが、その後にちょうど良い便になってくるようです。スインプロイクをやめるよりも、便を柔らかくする薬、酸化マグネシウムなどを減らしたりする方がコントロールしやすいようなので、医療者へ相談しながら服用していく事をお勧めします。
美味しく食べて、適度に運動して、しっかり寝て、きちんと出す 毎日気持ち良い生活をお送りください。 たわいもないウンチの話でした。